米国のネット広告、ついに新聞を抜く

売上高は過去最高の260億ドル、テレビ広告に迫る

2011.04.15(Fri)  小久保 重信

米国の広告市場で、昨年のインターネット広告の売上高が過去最高の260億ドルとなり、ついに新聞広告を上回った――。

 米インターネット広告業界団体のインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が13日までにこうした統計をまとめた。

ネット広告費が初めて新聞広告費を上回る見通し、米国

通販サイトのパソコン画面〔AFPBB News

 それによると、昨年の米広告市場は、テレビ広告(全国・地方放送)が286億ドルで最大。インターネット広告はこれに次ぐ規模となり、この後、新聞(228億ドル)、ケーブルテレビ(225億ドル)、ラジオ(153億ドル)などが続いた。

 米国のネット広告市場は景気低迷のあおりを受けて2009年に前年比3%減と落ち込んだが、ここに来て回復傾向にある。

 昨年の伸び率は15%と、2008年以前の20~30%に比べると勢いはないが、IABの担当者は「四半期ベースで見ても売上高は5四半期連続で伸びており、我々は安定成長へと向かっているようだ」と話している。

 消費者は米フェイスブック(Facebook)などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、米ネットフリックス(Netflix)のような映画のストリーミングサービスなどに時間を費やすようになっており、ネット滞在時間が増えている。これに伴って広告収入も伸びているという。

ディスプレー広告が急伸

 広告形態別に見ると、昨年最も売り上げ規模が大きかったのは、米グーグルが市場を支配している「検索連動型広告」で、金額は120億400万ドルだった。

 この後をバナー広告などの「ディスプレー関連広告」(99億600万ドル)、求人や不動産案内などの「クラシファイド広告」(25億9700万ドル)と続いている。

 検索連動型広告のシェアは依然として高いが、興味深いのはディスプレー広告が急速に伸びているここ最近の傾向。その前年比伸び率は24%となっており、市場全体に占める割合は前年の35%から38%に増えた。

 これに対し検索連動型広告の伸び率は12%増とディスプレーの半分。市場全体に占める割合は47%から46%に低下した。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、「メディア企業の間では、いまだオンラインコンテンツを活用するビジネスモデルの構築に模索が続いているが、こうした傾向は米AOLなどのコンテンツビジネスに注力している企業にとっては好ましい」と伝えている。

 なおIABは、今回初めてモバイル広告の統計を出した。IABが見積もる昨年のモバイル広告売上高は5億5000万~6億5000万ドルで、これには検索連動型広告やディスプレイ広告なども含まれる。

 米アップルのアイフォーン(iPhone)やアイパッド「iPad」、米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末など、スマートフォンやタブレットが急速に普及していることから個別に集計することにした。

広告支出はネット滞在時間に連動する

 一方、ネット広告の支出額を業種別に見てみると、小売が最も多く金額は55億ドル。小売業界はネット広告全体の21%を支出している。

 次に多いのは通信で、金額は35億ドル。この後、金融サービス(32億ドル)、自動車(29億ドル)、コンピューター(22億ドル)、消費財(20億ドル)、旅行(18億ドル)と続いている。

 前述のウォールストリート・ジャーナルによると、消費者がインターネットに費やす時間と、企業がネットに充てる広告支出には常に開きがあるという。当然ながら先行するのは前者。つまり今後も消費者のネット滞在時間が増え続ける限り、広告支出も増えることになると伝えている。

米国のネット広告、ついに新聞を抜く

売上高は過去最高の260億ドル、テレビ広告に迫る

2011.04.15(Fri)  小久保 重信

米国の広告市場で、昨年のインターネット広告の売上高が過去最高の260億ドルとなり、ついに新聞広告を上回った――。

 米インターネット広告業界団体のインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が13日までにこうした統計をまとめた。

ネット広告費が初めて新聞広告費を上回る見通し、米国

通販サイトのパソコン画面〔AFPBB News

 それによると、昨年の米広告市場は、テレビ広告(全国・地方放送)が286億ドルで最大。インターネット広告はこれに次ぐ規模となり、この後、新聞(228億ドル)、ケーブルテレビ(225億ドル)、ラジオ(153億ドル)などが続いた。

 米国のネット広告市場は景気低迷のあおりを受けて2009年に前年比3%減と落ち込んだが、ここに来て回復傾向にある。

 昨年の伸び率は15%と、2008年以前の20~30%に比べると勢いはないが、IABの担当者は「四半期ベースで見ても売上高は5四半期連続で伸びており、我々は安定成長へと向かっているようだ」と話している。

 消費者は米フェイスブック(Facebook)などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、米ネットフリックス(Netflix)のような映画のストリーミングサービスなどに時間を費やすようになっており、ネット滞在時間が増えている。これに伴って広告収入も伸びているという。

ディスプレー広告が急伸

 広告形態別に見ると、昨年最も売り上げ規模が大きかったのは、米グーグルが市場を支配している「検索連動型広告」で、金額は120億400万ドルだった。

 この後をバナー広告などの「ディスプレー関連広告」(99億600万ドル)、求人や不動産案内などの「クラシファイド広告」(25億9700万ドル)と続いている。

 検索連動型広告のシェアは依然として高いが、興味深いのはディスプレー広告が急速に伸びているここ最近の傾向。その前年比伸び率は24%となっており、市場全体に占める割合は前年の35%から38%に増えた。

 これに対し検索連動型広告の伸び率は12%増とディスプレーの半分。市場全体に占める割合は47%から46%に低下した。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、「メディア企業の間では、いまだオンラインコンテンツを活用するビジネスモデルの構築に模索が続いているが、こうした傾向は米AOLなどのコンテンツビジネスに注力している企業にとっては好ましい」と伝えている。

 なおIABは、今回初めてモバイル広告の統計を出した。IABが見積もる昨年のモバイル広告売上高は5億5000万~6億5000万ドルで、これには検索連動型広告やディスプレイ広告なども含まれる。

 米アップルのアイフォーン(iPhone)やアイパッド「iPad」、米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末など、スマートフォンやタブレットが急速に普及していることから個別に集計することにした。

広告支出はネット滞在時間に連動する

 一方、ネット広告の支出額を業種別に見てみると、小売が最も多く金額は55億ドル。小売業界はネット広告全体の21%を支出している。

 次に多いのは通信で、金額は35億ドル。この後、金融サービス(32億ドル)、自動車(29億ドル)、コンピューター(22億ドル)、消費財(20億ドル)、旅行(18億ドル)と続いている。

 前述のウォールストリート・ジャーナルによると、消費者がインターネットに費やす時間と、企業がネットに充てる広告支出には常に開きがあるという。当然ながら先行するのは前者。つまり今後も消費者のネット滞在時間が増え続ける限り、広告支出も増えることになると伝えている。

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